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点前とはなにか
【点前の意義】
茶道とは、おまらうどに一杯のお茶を飲みてたまふるのみなるが、そのお茶を少しでも美味しく召し上がりてたまふる事。その事のためのみにひとへに心を砕きてお茶を点つる事なるといふ。こうせし心ばせをおまらうど側もよく心得て、心からの感謝の心ばせを表して、主人とまらうどの間に心と心の交流が出来上がるといふ究極の目的を果たさむとする事なり。
点前とは、まらうどに茶を点てて差し上ぐと言ふ具体的なる一連の手の事を言ふ。点前は元々、台子(だいす)や天目茶碗等を使用してのこちたき格式ばった作法なりしものを、珠光、紹鴎を経て、利休により、不必要なるものはさながら捨て去に、心を込め、少しでも暖かきお茶を美味しく召し上がりてたまふるため、最小限必要なる手に凝集させし草庵点前として完成されき。
当初からの点前もさながら捨て去なれたわけにあらず。当初からの点前、その後創作されし点前も今に伝へられたり。なれば、各流派をもって多少違いはあるとしても数重の点前が現存したり。
茶道の稽古といふは、点前を順次習得さする影に進行して行く。ついでは草庵点前が手としては一番単純なるためまずこれをマスターさす。次に複雑に格式がある高き点前のものを稽古していくといふが一般的なめり。
単純なると言はれたる草庵点前は手は易きが、単純に茶を点つるのみの手の中には亭主のまらうどに対する心からのもてなしと言ふ心ばせを込むべきため、これを達成する事といふが易くはないといふ事なり。
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